投資信託「SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))」が発売されてもうすぐ3年。データが少しずつ揃ってきました。長期投資に向いた商品として十分おすすめできそうだったので、分析しつつ紹介します。
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なんかこう、手っ取り早く、これにしたら良い!っていう投資信託ないかな?
それじゃあ今回は、みんなに広くおすすめできる投資信託を紹介するね。
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目次
SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)) | |
---|---|
運用方法 | 日本を含む全世界株式 |
連動指数 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
信託報酬など | 0.1102%(税込) |
iDeCo取扱金融機関 | SBI証券(セレクトプラン) |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))は、SBI証券で販売されている投資信託です。
複数のETF(指数連動型上場投資信託)を組み合わせることにより、日本を含む全世界の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指します。
雪だるま(全世界株式)は運用コストの低さ、リスク分散の強力さ、ともにかなり優秀な商品です。どちらも長期投資する上でとても大切な要素なので、長期投資が前提となるiDeCoやつみたてNISAに最適な商品だと言えます。
信託報酬(投資信託の手数料のようなもの)は年0.1102%ほどで、株式系の投資信託の中ではトップクラスに安いコストで運用できます。
雪だるま(全世界株式)の内訳
雪だるま(全世界株式)を買うと、間接的に以下3つのETF(上場投資信託)に投資することになります。
・シュワブU.S. ブロードマーケットETF
米国株式市場全体を対象とするETF。
同ジャンルの中では世界一低コスト。
・SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)
アメリカを除いた、先進国45か国の約1000銘柄を対象とするETF。
大きな投資先は日本・イギリス・中国・フランス・カナダなど。
・SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF
新興国29か国の約1400銘柄を対象に運用するETF。
投資先は中国、インド、台湾、ブラジル、南アフリカなど。
雪だるま(全世界株式)に投資したお金は、以上のETFを通じて世界50か国以上、6000銘柄以上の株式に分散されます。
これだけで全世界の株式時価総額の約98%をカバーしているので、世界の株式市場全体と連動した値動きが期待できます。
(出典 BloombergよりSBIアセットマネジメント作成)
だからすごく丈夫な資産になるっていう風に考えているよ。
雪だるま(全世界株式)のデメリット
雪だるま(全世界株式)の懸念点としては、作られてからまだ日が浅いこと。
SBIアセットマネジメントが雪だるま(全世界株式)の運用を始めたのは2017年の12月からで、他の人気投信と比べると運用実績がまだ短く、過去のデータが足りません。
情報が少なく、分析の難しい面があります。
一般的に、運用実績の少ない投資信託には以下のようなリスクがあります。
1. 想定外のコストがかかる
2. 純資産額が少なく、繰上償還の可能性がある
でも両方とも重要なポイントだから、これから説明するよ!
1. 想定外のコストがかかるリスク
雪だるま(全世界株式)の目論見書に書かれている手数料は以下の通り。
雪だるま(全世界株式)の手数料一覧 | ||
---|---|---|
信託報酬 | 販売 | 年 0.0242% |
受託 | 年 0.0242% | |
委託 | 年 0.0198% | |
管理費用など | 年 0.0420%程度 | |
販売手数料 | 0円 | |
信託財産留保額 | 0円 |
雪だるま(全世界株式)は販売手数料と信託財産留保額が無料。
つまり、購入時も売却時も手数料がかかりません。
かかるのは信託報酬と管理費用で、どちらも保有している量に対してパーセントで発生します。
これらを合計すると年 0.1102%で、株式系の投資信託としてはトップクラスに安いコストです。
購入前から判明しているコストは以上です。
ただし、投資信託には隠れコストと呼ばれるコストが存在します。
この隠れコストの部分は、実際に運用してみるまでわかりません。
毎年発行される運用報告書を見れば、実際にどれだけの利益が出てどれだけのコストがかかったのか正確に記載されていますが、雪だるま(全世界株式)は2017年の12月にできたばかりなので、2020年8月の現時点では、運用報告書が2年分しか発行されていません。
2018年と2019年の運用報告書を元に、実際にかかったコスト(実質コスト)をまとめると、以下のようになります。
雪だるま(全世界株式)の実質コスト | |
---|---|
1期目 (2018/11/12) | 年 0.3060% |
2期目 (2019/11/12) | 年 0.1990% |
基本的にできたばかりの投資信託はコストが安定しないと言われており、そのせいか1期目は少し高めになっていますが、2期目は0.1990%に落ち着きました。
2019年末の運用報告書を元に、似たジャンルの投資信託と比較すると以下のようになります。
ファンド | 信託報酬など | 実質コスト |
---|---|---|
雪だるま(全世界株式) | 0.1102% | 0.1990% |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% | 0.2160% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.2220% | 0.3060% |
2019年のデータで比較すると、全世界株式系のインデックス投信のなかで雪だるま(全世界株式)が最安でした。
3期目(2020年分)の運用報告書はまだ発行されていませんが、8月時点のデータを元に計算すると、0.1800%程度に落ち着いています。
2. 繰上償還のリスク
投資信託がそのとき運用している金額の合計を、純資産額(じゅんしさんがく)と言います。
できたばかりの投資信託は純資産が少なく、不安定な面があります。
純資産額は商品が売れたときや運用がうまくいったときに増えていきますが、反対に、運用成績が悪いときや解約数が多いときには減っていきます。
それ自体は特に問題ありませんが、繰上償還(くりあげしょうかん)のリスクには注意が必要です。
投資信託は、運用会社の判断で運用を終了することができます。
つまり、「これ以上運用できない」と判断された商品は、途中で強制的に解約(繰上償還)されてしまう可能性があります。
純資産額が多く、売れ行きも良い商品が繰上償還される可能性はほぼありませんが、純資産額の少ない商品や全く売れてない商品ほど繰上償還が起こりやすくなります。
特に、純資産額30億円に満たない投資信託は繰上償還リスクが高いと言われています。
経済の状態や商品の実績にもよりますが、個人的な判断基準としては純資産額が50億円以上の商品ならば長期運用するイメージが湧きやすく、ある程度の安心感を持って選ぶことができます。
雪だるま(全世界株式)の純資産額は2020年8月時点で88.92億円。
年内には100億円に届きそうな勢いで、順調に増えています。
それ以上は100億円でも500億円でも、もはや変わらないと思ってるよ。
思ったように指標に連動しない可能性がある
最後に、雪だるま(全世界株式)の懸念点をもうひとつだけ挙げるとするなら、思ったように指標に連動していかない可能性があることです。
雪だるま(全世界株式)は「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指標と連動することを目指す」と標榜していますが、内訳としては3つの海外ETFを組み合わせて運用される商品となっています。
海外ETFを組み込んだ投資信託の場合、時差や為替、配当金などが影響して指標と多少のズレが発生します。
そもそも雪だるま(全世界株式)の場合、ETFを組み合わせてFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに似たような状態を作っているだけなので、本当に連動するのか疑わしい部分もあります。
実際に連動するにせよしないにせよ、世界中に分散されることは確かで、運用内容もコストも非常に優れた商品ではあるので、個人的にはあまり気にならない部分ではあります。
こちらはiDeCoで取り扱いがあるのは楽天証券だけ。
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雪だるま(全世界株式)はおすすめできる
ここまでの内容をまとめてみましょう。
雪だるま(全世界株式)は、低コストで世界50か国以上の6000銘柄以上の株式に分散投資できる非常に優秀な投資信託です。
まだ新しい投資信託ではありますが、過去2年のデータを見る限り、実質コストも最小クラスに収まっており、純資産額も十分な規模に育っています。
データも徐々に揃ってきており、いまのところ特別不安な点もありません。
海外株式系の投資信託には日本株式を含まない商品や先進国に絞った商品などもあり、実際にどの商品が良いかは好みの部分や資産のバランスによって変わってくる部分がありますが、雪だるま(全世界株式)は万人におすすめしやすい合理的な投資信託です。
特に、iDeCoやつみたてNISAとは相性が良いので、これらの口座でどんな商品を運用していくか迷っている方にはおすすめです。
iDeCo口座で取り扱いがあるのは、いまのところSBI証券のセレクトプランのみ。
>> SBI証券(セレクトプラン)の公式ページ
つみたてNISAもSBI証券がおすすめです。
>> SBI証券(つみたてNISA)の公式ページ
というわけで以上、投資信託「雪だるま(全世界株式)」のおすすめポイントとデメリットまとめでした。
それではまた!
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