止まらない少子化や不動産価格の下落など、日本に不安を感じるニュースが増えると大手の銀行は外貨預金をすすめてきます。
「全財産を円で持つのは危険。」これは私も同意見ですが、銀行の外貨預金は高額な手数料を取るためのぼったくり商品なので要注意!! わかりやすい図解も交えて検証してみましょう。
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お姉さん、おいらのこと好きなのかなあ?
大事なことなのではじめに書きますが、外貨預金はおすすめできるような商品ではありません。
円が良いとか米ドルが悪いとか言う話ではなく、外貨預金という金融商品自体が粗悪です。
貯金の一部を海外資産するというのは、将来を考える上で非常に意味のある行動ですが、大手銀行がすすめてくる外貨預金は効率よく手数料を取るためのぼったくり商品。
もし、今まさに勧誘を受けているという方は、一度持ち帰って、この記事を読んでから購入するかどうか考えていただきたいです。
同じようなサービスのFXと比べると一目瞭然だから、とりあえずこの表見て!
金融機関 | 外貨預金 三菱UFJダイレクト | FX DMM FX |
---|---|---|
100万円を1年間 預金すると | 約99万6975円 | 約101万6103円 |
※ 2019年9月17日時点のレートを元に計算しています |
じゃあ何でこんなことになるのか、詳しく解説するね。
目次
外貨預金とは?わかりやすく解説
図解:外貨預金
外貨預金というのは、貯金を外国のお金に換えて銀行に預けることができる金融商品です。
・世界の基軸通貨、米ドル
・流通量世界第2位の通貨、ユーロ
・資源とテクノロジーを併せ持つオーストラリアの豪ドル
その他にもNZドルや英ポンド、カナダドル、スイスフラン、香港ドルなど、各銀行が取り扱う外貨の中から気に入ったものを選んで預金することができます。
三菱UFJ銀行3万米ドル相当額未満の外貨預金金利
通貨の種類 | 普通預金 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 |
---|---|---|---|---|---|
米ドル | 0.200% | 0.200% | 0.200% | 0.200% | 0.200% |
ユーロ | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% |
豪ドル | 0.300% | 0.300% | 0.300% | 0.300% | 0.300% |
NZドル | 0.300% | 0.300% | 0.300% | 0.300% | 0.300% |
英ポンド | 0.100% | 0.100% | 0.100% | 0.100% | 0.100% |
スイスフラン | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% |
(2019年9月時点) |
2019年9月現在、日本の大手銀行の普通預金は年利0.001%。
それに比べると、オーストラリアドルやニュージーランドドル建ての外貨預金ならば普通預金の数百倍の金利がつきます。
~~建て(だて)
外貨で投資することを「外貨建て投資」と言います。また、米ドルに両替してから行う場合は「米ドル建て」と言います。
例:外貨建て株式、英ポンド建て預金など
それってめちゃくちゃ魅力的な金融商品なんじゃないの?
外貨預金は投資じゃない
外貨預金は、銀行預金とは全く違う性質の商品です。
それでも「外貨預金」という名前が付いているため、比較的安全なイメージが定着していますが、実際はただの為替取引です。
銀行預金でもなければ、投資ですらありません。
投資とは
投資とは、事業などに資金を出すことで経済の成長に参加する行為です。
例えば読者がサバイブの株式に投資した場合、サバイブはそのお金を会社のために使います。
本を出版したり、イベントを開催したり、優秀な社員を雇ったり、自己資金だけではできなかった様な大規模なことにも挑戦し、より大きな利益を狙います。
目論見どおり大きな利益を得られれば、「配当金」という形で株主に還元します。
すると、サバイブの株が欲しい人も増えていくので株価が上がり、すでに株を持っている人は、より高値で株を売却することができるようになります。
株価が上がればサバイブは増資しやすくなり、より大きなビジネスに挑戦することができるようになります。
これが投資です。
投資家も株式会社も、基本的には同じ未来を目指しており、うまく行けばWIN-WINです。
「参加者全員が得をする」ということが充分あり得ます。
また、自分の好きな会社に投資して資本が有効活用されることはより良い(自分好みの)社会作りにもつながります。必ずしも「リターン=お金のみ」というわけでもありません。
大規模な活動によって読者や社会も良い影響を受けたとすると、WIN-WIN-WINとなる可能性もあります。
それで、外貨預金とは何が違うの?
外貨預金と投資の違い
外貨預金と投資は、根本的な目的が違います。
外貨預金は金利と為替差による利益を目的とした、為替取引。
為替は世界最大のカジノと呼ばれることもあるように、投資よりギャンブルに近い性質を持っています。
「ドル/円」という通貨ペアでは、ドルが上がれば同じだけ円が下がります。
ドルも円も成長するものではないので、両方同時に上がることはあり得ません。
理論上は誰かが得するとき、同じだけ損している人がいるということになります。
このような状態をゼロサムゲームと呼びます。
円高?円安?為替リスク
外貨預金には「為替リスク」が存在します。
円安は円の価値が下がり、1ドルを買うのに沢山の円が必要になるということです。
反対に、円高は円の価値が上がるので、安い値段でドルを買うことができます。
つまり海外に物を輸出するなら円安のときのほうが高値が付きますが、物を輸入するときや海外旅行に行く場合は、円高のほうが同じ金額でたくさん買うことができます。
外貨預金は、この円高・円安の影響をモロに受けます。
円安になると:1ドル=120円
1万ドル=120万円になって返ってくる。
円高になると:1ドル=80円
1万ドル=80万円になって返ってくる。
実際に、2015年6月は1ドル=125.8円まで円安が進みました。
そして、1年後の2016年6月には1ドル=98.9円以下まで円高となりました。
2015年に1年定期の米ドル建て預金を組んだひとは、為替リスクによって資産が約27%減ってしまったことになります。
0.2%の金利では、とても取り返せません。
しかし反対に、為替差がプラスに働くこともあります。
上の図は実際の米ドル/円相場を参考にした、為替差益の例です。
このように、為替差による損益(プラスマイナス)は金利を遥かに凌駕することがあります。
元本±為替差益あるいは為替差損+金利-手数料=払い戻し金額
となるので、円に戻した際に結果としてプラスになるのかマイナスになるのかは預ける時点ではわかりません。
そうすると円の価値が下がるから、今度は日本円を割安で買える状態になる。
これが繰り返されて、市場はバランスが取れているはずなんだよ。
為替は金利込みの値段が付いている
円やドルなど、お金の価値は取引の成立によって上下します。
為替相場は、大体1割前後が実需(貿易などによる両替)で、あとの9割前後は個人投資家やディーラーによる為替取引によって決められていると言われています。
為替の専門家たちは「こっちの方が得だ」と思う方を購入するので、外貨は金利も込みで考えられた価格で取引されています。
つまり高金利通貨は「その分だけ将来的にレートが下がる」という期待値込みの値段が付いているはずです。
結果的にどちらで運用するのが得なのかということが簡単に判断できるようなものではありません。
これ、今売るならいくらで売る?
間を取って20年後に枯れるとして、5×20=100万円かな?
高金利通貨を持っている人は、今みたいな気持ちで低金利の日本円に換えてるんだよ。
誤差はあるけど、計算上は釣り合っている値段が付いているはずなんだね!
売る側も、枯れることを見越して売ってるはずだよ。
リスクとリターンの関係
でもやっぱり、円高のときに外貨預金するとお得な気がするなあ。
1ドル100円なんて決まりは無いからね。
ここ10年間の米ドル/日本円の為替レートは75~125円の間を行き来していますが、為替レートには「1ドル75円まで」なんて保証は存在しません。
いくらでも上がる可能性もあるし、いくらでも下がる可能性もあります。
「安心」と言われている米ドルも
「危険」と言われているブラジルレアルも同じ。
外国為替は片方が上がればもう片方は同じ分だけ下がるので、理論上、誰かが儲かるとき、誰かが損します。
これは投資と言うよりはギャンブルに似た性質です。
この為替リスクは全て購入者が負担しますが、金利は銀行と購入者で分け合うことになります。
銀行側からすれば、ノーリスク・ハイリターン。夢のような商品ではないでしょうか。
しかも外貨預金は手数料が高いので、損が増えて利益は減ります。
これではリスクとリターンがつり合いません。
まさにハイリスク・ローリターン。
「預金」という言葉が持つ「安全なイメージ」と、為替リスクと引き換えに得ている「高金利」をエサに手数料をとる、カモ向けの売れ筋商品です。
一方、株式投資・国債・社債といった金融商品は、集めたお金を有効利用して、増えた分を投資者に還元する仕組みです。
これらは比較的手数料も安く、リスクとリターンのバランスに優れたものが多いです。
極端にローリスク・ハイリターンをかたる商品は詐欺の可能性が高く、反対にハイリスク・ローリターンなものは金融機関が手数料や利ザヤを得るために作ったカモ向けの商品。
どちらもおすすめできません。
購入には注意が必要です。
お金の知識は中学でも高校でも教えてくれないし、はじめから合理的に考えられるわけじゃないからね。
外貨預金は「売りやすい商品」
外貨預金は、非常に人気のある金融商品です。
たしかに「投資信託」や「株式投資」に比べ、「外貨預金」という言葉は安全そうに見えます。
しかも「銀行がすすめてくるのだから間違いないだろう。」と思うひとも多いのではないでしょうか。
銀行の利益と投資家の利益は正反対
銀行は無料でお金の相談に乗ってくれるし、信用できるイメージがあるので、自分の味方のように感じてしまうかもしれませんが、あくまで自社と株主の利益のために動く株式会社です。
銀行はより多くの手数料が欲しく
投資家はより大きなリターンが欲しいもの。
手数料は、投資家にとって確実なマイナスリターンです。
この点で両者の利害は根本から相反すると言えます。
それでも手数料が割高な外貨預金が売れ続けているのは、銀行側が強い営業力を持っているから。
銀行は私たちの預金残高はもちろん、給料・生活費・年金・保険・大きな買い物の履歴など、あまりにも多くの情報を把握しています。
利用者に対してかなり有利な営業を展開できるので、「売りたい商品」と「売れる商品」を限りなく近づけることができます。
つまり、銀行で売れている商品=良い商品とは限りません。
現に、銀行の投資信託売り上げランキングには粗悪なものばかりが並んでいます。
(詳しくは別の記事で検証しています)
信用していいの?
みんなのリーダー!日本のメシア!経済界のニューヒーロー!いよーっ!
※ ざっきー君のセリフはヤマコン本人が入力しています
外貨預金の3つのデメリットとリスク
私は絶対に外貨預金をおすすめしません。
外貨預金が明らかに劣っていると言える理由を挙げていきます。
その理由は3つ!
その1.外貨預金は手数料が非常に高い
外貨預金を預け入れたり払い戻す際は、TTS(買値)・TTB(売値)と呼ばれる、銀行ごとに定められた専用のレートが用意されています。
例えば、この記事を書いている時点で三菱UFJ銀行のホームページ内にある外貨預金のレート案内には、
TTS(買値) 109.2円
TTB(売値) 107.2円
(2019年9月17日時点)
とあります。
このレートの差が為替手数料となります。
TTSとTTBに差があればあるほど、手数料も多く取られているということになります。
▼預け入れ
100万円÷108.45円=9220.83ドル
▼払い戻し
9157.5×107.95円=99万5389円
往復で4611円の手数料がかかっている。
上の例を見てわかるように、たった0.5円の差でも往復で考えれば充分大きな手数料がかかってしまいます。
手数料で目減りした9220.83ドルを年利0.2%の米ドル建て定期預金に1年預けても、金利で増えるのは18.44ドル。
さらに、預金金利には20.315%の源泉分離課税が適用されるため、実際にもらえるのは14.69ドルです。
この金利を合計して払い戻すと、99万6975円となります。
この計算でいくと、金利が為替手数料を上回るには4年以上預ける必要があります。
その間に金利が上がったり、円安になって為替差益が出る可能性はありますが、とても得策だとは思えません。
また、ここまでの計算は三菱UFJダイレクトを利用した場合の例で、つまりネットで手続きした場合の手数料です。
窓口で購入した場合の為替手数料はこの8倍。
100万円を1往復させるだけで1万8000円以上が手数料に消えます。
それでも外貨で預けたいなら、もっと手数料が安い方法があるよ。
その2.外貨預金には保証がない
普通預金や定期預金は預金保険制度の対象です。
もし預け先の銀行が突然倒産しても、1金融機関1預金者あたりの元本1000万円までと、その利息は保護されます。
そこで、1000万円を超える分は複数の銀行に分散して預金すれば何千万円でも安心して保有できるのが現在の預金制度です。
しかし、外貨預金は預金保険制度の対象外です。
万が一銀行が倒産した場合は、銀行の余力によって返ってきたり、返ってこなかったりする、といういい加減な状態になります。
それでも外貨預金がしたいという方は、外貨の情報や為替の分析だけでなく、預け先の銀行の信用度まで調査しなければなりません。
2016年2月に黒田総裁がマイナス金利を発表した際には、メガバンクの株価は軒並み暴落しました。
このような不安定な状況で保証のない預金するのは少し不安ですね。
その3.金利が抜かれてしまう
冒頭でも説明した通り、外貨預金は日本円定期預金の何倍もの金利を狙うことができます。
普通預金金利
日本円:年0.001%
豪ドル:年0.300%
1年定期預金金利
日本円:年0.010%
豪ドル:年0.300%
(2019年9月17日時点)
為替リスクはありますが、金利は日本円の30~300倍。
10万豪ドル(約745万円)預ければ、1年後には300豪ドル(約2万2000円)の利子が付きます。
このように、日本円に比べるとかなり高金利に見えますが、実際にはかなりの金利が抜かれています。
2019年9月時点でオーストラリアの政策金利は1.0%です。
日本の政策金利は-0.1%で、1.1%の金利差があります。
この差を目安に考えた場合「私たちの取り分である定期預金金利0.3%」を引くと0.7%がどこかに消えていることになります。
つまり、金利の半分以上は銀行に抜かれていると考えられます。
というかそもそも、なんでみんな外貨預金したがるんだろう?
海外資産を持つことはとてもおすすめ
「価値が減ってしまうかもしれない外貨を買うのは怖い。」
多かれ少なかれ、誰もが感じることではないでしょうか。
そこで多くの方は資産の大半を日本円の普通預金や定期預金で所持します。
これは、考え方によっては全財産を日本円に投資しているということになります。
「日本経済に全幅の信頼を置いている」という方はそれでも構いませんが、多くのひとは今後の日本経済に不安を感じているのではないでしょうか。
日本はいま少子高齢化が進行し、土地や資源も少なく、海産物や農作物の輸出も難しい状況にあります。
少子高齢化は日本だけの問題ではなく、ほぼ全ての先進国で進行している社会問題ですが、日本はとりわけ深刻です。
文化的にも法的にも外国人の受け入れが進んでおらず、欧米のようには外国人労働者が流入してきません。7戸に1戸が空き家となり、子供用のおむつより高齢者向けのおむつが売れています。
このような状況で日本に全額投資するというのは、あまり合理的ではないと考えるひとも多いでしょう。
投資の世界では「卵をひとつのカゴに盛るな」という有名な格言があります。
持っている卵を一つのカゴに全て盛ってしまうと、そのカゴを倒してしまったら全部の卵が割れてしまいます。
しかし、複数のカゴに分けて卵を盛り、離れた場所に置いておけば、そのうちの一つのカゴを倒したとしても他のカゴの卵は影響を受けません。
これは、分散投資を勧める際によく用いられる例え話です。
このように、日本経済との関連性が低い複数の国に分散して預金しておけば、仮に日本経済が暴落したとしてもある程度の資産価値を守ることができます。
外貨投資も怖いけどインフレも怖い
日本政府は2%のインフレを目指し、様々な施策を行っています。
インフレとは、簡単に言うと物価とお給料が上がること。
例えば、数年間かけて10倍のインフレが起きたとします。
500円で売られていたお弁当は5000円になりますが、20万円のお給料が200万円になれば生活水準は維持できます。
しかし、一生懸命働いて貯めた5000万円の貯金は実質10分の1の価値となり、一軒家はおろかマンションを買うのも難しい金額となってしまいます。
つまりインフレが起きても生活はある程度守られますが、貯金は一切守られません。
「10倍のインフレなんてそんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、実際にアルゼンチンでは1988年から1989年のたった一年強の間に50倍のハイパーインフレ(急激なインフレ)が起きました。
国内のお金は紙切れ同然となり、60パーセント近くの人々が極貧状態に陥ったと言われています。
極端な話、このとき全額外貨で持っていた人は変わらぬ生活を送れたことになります。
日本のインフレ率は
2017年に0.47%
2018年に0.98%
と、ジリジリ上昇しています。
これは同時に、貯金の価値がジリジリ減っているということでもあります。
仮にこの状況が続くとすると、外貨預金には表示されている金利以上のメリットがあると考えられます。
物価が上がってきてるような気もするね。
外貨預金以外の選択肢
預け入れ・払い戻しの度に高額の手数料を支払い、
金利の半分以上を銀行に持っていかれ、
それでも私たちは為替リスクを全額負担し、
銀行が倒産したら返金されないかもしれない。
ちょっと悲観的すぎるかもしれませんが、これが「銀行が販売している外貨預金」です。
外貨預金金利をお得に受け取る方法
外貨を購入できるのは銀行だけではありません。
ということで、代表的な金融機関の金利と手数料を比較してみました。
金融機関 | 米ドル/円レート | 米ドル預金金利 | 100万円を預金して 1年後に払い戻すと… | 信託保全 | |
---|---|---|---|---|---|
大手銀行 | 三菱UFJダイレクト | 預入 108.45円 払戻 107.95円 | 普通 0.20% | 約99万6975円 | × |
定期(1年) 0.20% |
|||||
みずほ銀行 | 預入 109.22円 払戻 107.22円 | 普通 0.20% | 約98万5210円 | ||
定期(1年) 0.45% |
|||||
FX会社 | DMM FX おすすめ! | 預入 108.183円 払戻 108.180円 | 約2.02% 一日あたりのスワップポイントを元に推計 | 約102万0171円 | ○ |
※ 2019年9月17日のデータ |
※ FX会社の金利は推定値なので(毎日変動する為)、正確な比較ではありません。
また、「100万円→1年後」の項目は為替リスクを除外しているので、あくまで参考数値となります。
※ 金利には20.315%の源泉分離課税がかかります。
FX会社で外貨預金するメリット
FXは、金利よりも「為替差益を狙った外為取引」を行うユーザーがメインです。
通貨を1日に何往復もさせて利益を狙うトレーダーが多く、FX会社としては取引回数が多ければ手数料が安くても充分回収できるので、銀行や両替店に比べると圧倒的な好レート(=安い手数料)で外貨をトレードできます。
外貨預金の代替サービスとして使うのであれば
為替手数料が安い上に
金利も良く
定期預金のような期間の縛りもなく
インターネットでいつでも払い戻せるし
FX会社が倒産しても信託保全で全額守られるというこの上ない条件で外貨預金できます。
高い金利がほぼ毎日受け取れる
FXでは、金利の低い通貨を売却して高金利通貨を購入すると、通貨間の金利差(通称:スワップ金利)を毎日少しずつ受け取ることができます。
(逆に高金利→低金利の場合は払わなければならない)
日本円は世界最低クラスの低金利通貨なので、買い取引の場合は様々な通貨ペアにおいてプラスのスワップ金利が発生します。
つまり、外貨を買って持っているだけで高い金利をもらえるのです。
通貨の種類 | 推定年利 | 100万円の利息 (1年間) |
---|---|---|
南アランド/円 | 5.48% | 5万4834円 |
米ドル/円 | 2.02% | 2万0243円 |
カナダドル/円 | 1.57% | 15655円 |
英ポンド/円 | 0.68% | 6798円 |
豪ドル/円 | 0.64% | 6419円 |
NZドル/円 | 0.53% | 5332円 |
ユーロ/円 | -0.40% | -3983円 |
スイスフラン/円 | -0.50% | -5038円 |
※ DMM FX 2019年9月時点のデータを参考に作成 |
※ FX会社の金利は推定値なので(毎日変動する為)、正確な比較ではありません。また、「100万円の利息」の項目は為替リスクを除外しているので、あくまで参考数値となります。
※ 金利には20.315%の源泉分離課税がかかります。
上の推計では、南アフリカランドとアメリカドルが高金利となりました。
南アフリカやトルコをはじめとした新興国は政治・経済情勢の安定性に欠けるため、為替レートのアップダウンが激しいという特徴があります。
「為替が下がっても、高金利通貨を持ち続けていればいつかはプラスになる。」
という考えは一理ありますが、もし投資先の国が破産したら為替レートが何十年も元に戻らない可能性がありますし、高金利もいつまで続くかわかりません。
そこで、金利狙いの投資としては、資源が豊富で長期的に安定した成長が見込まれるオーストラリア(豪ドル)や、ニュージーランド(NZドル)が人気です。
FXはいつでも払い戻せる
銀行の外貨預金で高金利を狙うならば「定期預金」という形になります。
こうなると原則、中途解約ができません。
最も高金利となる1年定期の場合は、1年間ものあいだ払い戻しができなくなります。
このように資金の動かしやすさが限定されてしまうことを、流動性リスクと言います。
流動性リスクが大きいほど、価格変動の幅は広がり続けます。
危険を感じた時にすぐに払い戻せないと、取り返しのつかない事態にもなり得ます。
日本円のリスクヘッジのつもりが、かえってリスクを増やすことになってしまうかもしれません。
その点、FXならば営業時間中、ネットでいつでも払い戻すことができます。
土日以外の平日や祝日(元日を除く)は基本的に24時間お取引可能ですが、一部ご利用いただけない時間帯がございます。
なお、取引時間は米国のサマータイム制度に伴い、時期によって夏時間/冬時間と取引時間帯が異なりますのでご注意下さい。
払い戻したいときにいつでも払い戻せるのはかなり大きなメリットです!
おすすめのFX会社
同じFXでも、会社によって手数料や金利、取扱通貨など、様々な違いがあります。
現在FX業者は数え切れないほどたくさんあるので、中でもおすすめできる会社を2つ紹介します。
マネーパートナーズは両替もできて便利
マネーパートナーズは、外貨両替に対応しているという大きな特徴があります。
ほとんどのFX業者の場合、購入した米ドルなどを外貨のまま引き落とすことはできません。
両替したのち日本円に換金してから引き落とす必要があります。
もし急にアメリカに行くことになった場合、FX業者に預けている日本円に再両替してから、銀行や両替屋で外貨両替してもらうことになります。
その点、マネーパートナーズならば
・外貨出金先口座を指定して振り込む
・空港の専用窓口で外貨を受け取る(手数料500円) ※2021年サービス終了
このどちらかの方法で外貨を受け取り、海外などで実際に使うことができます。
対応通貨は米ドル・ユーロ・ポンド・豪ドル・NZドル・カナダドル・スイスフラン・香港ドル・シンガポールドルの9通貨。
外貨両替の手段としても非常に低コストで利便性が高く、両替のために口座開設する人も多いFX業者です。
為替手数料も大幅に節約できるので、アメリカやヨーロッパなどに行く可能性のある方に広くおすすめできます。
DMM FXはコストに優れる
DMM FXは、スプレッド(為替手数料)がFX業界の中でも最狭水準で、取引コストが非常に優れたFX業者です。
また、新規取引の度に「取引応援ポイント」が貯まるメリットもあります。
貯まったポイントはキャッシュバックでき、そのまま取引に使うことが可能です。
DMM FXはクイック入金に対応しています。
提携金融機関が380ほどあり、地銀やネット銀行のユーザーも手数料無料で入金することが可能。
DMM FXの外貨は保証される
さらに、DMM FXは信託銀行と信託契約を締結しているため、万が一DMMが突然破綻したとしても、私たちが預けている財産は返還される仕組みになっています。
お客様の大切な資産で安心してお取引いただくために、法令に基づき、お客様から預託された証拠金等の資金は『日証金信託銀行株式会社』、『株式会社SMBC信託銀行』、及び『FXクリアリング信託株式会社』へ信託保全を行う方法により当社の財産とは区分して管理しています。
信託保全されたお客様の資産は、万が一当社が破綻した場合であっても保全されます。なお、信託先銀行が破綻した場合も信託法により信託先銀行固有の財産から切り離して取扱われるため、信託財産として保全されます。
DMM FXの公式サイトにも以上のように書かれているので、預けた日本円も、両替した外貨も、両方とも保証対象となります。
外貨預金はFXの劣化版
比較項目 | FX | 外貨預金 |
---|---|---|
取扱業者 | FX会社・証券会社 | 銀行・信用金庫など |
最低必要金額 | 1万円前後 | 普通預金:100円前後 定期預金:10万円前後 |
1ドルあたりの 為替手数料 | 往復0.006~0.05円程度 | 往復0.5円~2円程度 |
運用期間 | 自由 | 定期預金は1か月~1年 満期まで下ろせない。 |
取引レート | ほぼ実勢レート | TTS・TTBによる独自レート |
取扱通貨 | 豊富 | 5~10通貨ほど |
取引時間 | 平日のほぼ24時間 | 基本平日9時~15時 |
為替レートの更新回数 | 随時 | 1日1回 |
外貨普通預金を始めようかと考えている場合、FXをレバレッジなしで運用した方が同じ為替リスクで圧倒的に高金利。
信託保全されることも考えると総合的なリスクでもFXが有利です。
このように、銀行の外貨預金とFXの外為取引を比較した結果
金利・手数料・使いやすさ・安心感
ほぼ全てにおいてFXが上回っていました。
めちゃくちゃ意外だけど、良さそうだな!
外貨預金より外国株
FXを利用した外貨預金は手数料は安く抑えられますが、ゼロサムゲームには変わりありません。勝つか負けるかは5分5分です。
為替レートの上乗せ分(スプレッド)の分だけ不利なので、むしろ損する確率のほうが若干高いと言えます。
また、利益が出た場合は利益に対して20.315%の税金がかかります。これは外貨預金や銀行預金の金利にも発生するものですが、株式投資や投資信託の場合は避ける手立てがあります。
私は海外資産を持つならば外国株式(投資信託含む)が有利と考えています。
経済は世界全体で見ると、いまだに成長を続けています。
基本的に、経済が成長すると株価が伸びます。
もちろん今後も伸び続けるという保証はありませんが、現状では「ゼロサムゲーム」の外貨預金よりも高いリターンが期待できます。
また、株式や投資信託ならばNISAやiDeCoが利用できるので、税金も安く抑えられます。
まずはiDeCo
他の記事でも紹介していますが、まずはiDeCoがおすすめです。
これは国が始めた景気刺激策の一つで、老後資金を重視した積み立て投資プログラムです。
積み立て限度額や受け取り時期に制限はありますが、投資の利益に対する税金がゼロになるだけでなく、普段払っている所得税と住民税まで安くなるというメリットがあるので、投資信託の運用による利益が出なかったとしても、総合的にプラスになる可能性が大きいです。
使い方によっては、やるだけで確実に儲かると言えます。
収入や控除額にもよりますが、一般的なサラリーマンならば、掛け金の15%以上の節税効果があります。
つまり、毎月2万円積み立てれば、月3000円。1年間で約3万6000円も得する計算です。
iDeCoで海外資産を運用する
iDeCoは、自分の好きな銀行や証券会社を選んで加入することができます。
ただし、金融機関によって取り扱う商品が違うので、場合によっては手数料の高い商品ばかり取り揃えていたり、極端に選択肢が少ない金融機関も存在します。
基本的には運用したい商品と手数料の2つを軸に選ぶと良いでしょう。
運用できる商品は、定期預金・投資信託・保険商品など。
定期預金ならば減ることはないので、価格変動リスクなしで節税メリットを受けられますが、投資信託ならば利益に対する税金もかからないので、より大きなメリットが期待できます。
私はSBI証券の「DCニッセイ外国株式インデックス」という投資信託で運用しています。
単純に商品の信託報酬が安く、金融機関自体の手数料も無料という、非常にシンプルな理由でこちらを選びました。
SBI証券は取扱商品数も業界最多で、カンブリア宮殿への出演でも有名なレオスが運営する「ひふみ年金」など、優秀なアクティブ投信も多く取り揃えています。
ところが2017年9月、ネット証券大手のマネックス証券が、より優れた手数料の投資信託を揃えてiDeCo業界に参入しました。
今からiDeCoを始める方はマネックス証券がおすすめです。
金融機関 | 口座管理手数料 | 加入時・移換時の手数料 | 国内株式系投信の最低信託報酬 (税込) | 外国株式系投信の最低信託報酬 (税込) |
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SBI証券 (セレクトプラン) おすすめ! | 0円 | 0円 | 0.154% 以内 (eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)) | 0.1023% 以内 (eMAXIS Slim 先進国株式インデックス) |
マネックス証券 おすすめ! | 0円 | 0円 | 0.154% (One DC 国内株式インデックスファンド) | 0.1023% 以内 (eMAXIS Slim 先進国株式インデックス) |
SBI証券 (オリジナルプラン) | 0円 | 0円 | 0.176% (三井住友-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド) | 0.154% (DCニッセイ外国株式インデックス) |
楽天証券 | 0円 | 0円 | 0.176% (三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド) | 年0.10989% (たわらノーロード・先進国株式) |
スルガ銀行 | 270円 | 0円 | 0.572% (DC・ダイワ・ストックインデックス225) | 0.77% (インベスコMSCIコクサイ・インデックス・ファンド) |
大和証券 | 0円 | 0円 | 0.2750% (DCダイワ日本株式インデックス) | 0.275% (DCダイワ外国株式インデックス) |
まとめ
ここらでひとつまとめておくれよ。
外貨預金は手数料が高く、金利も低い、FXの劣化版為替取引。
かなり粗悪な金融商品です。
また、海外資産が欲しいのならば、ゼロサムゲームの為替取引よりも、海外株式で持った方が期待リターンが高く、資産を有効活用できます。
しかも税制優遇を受けられるので、コストも大幅に下げられます。
結論としては、SBI証券のiDeCoでeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)がおすすめです。
20〜40代で、まだiDeCoを始めていないならば、こちらが最優先と言えるでしょう。
次に優先順位が高いのはつみたてNISAとなりますが、それよりも外貨預金をしたいという方はFX会社を利用すると良いでしょう。
少なくとも、外貨預金よりはかなり優れた金融商品です。
使う口座は、トップクラスにコストの安いDMM FXがおすすめです。
キャッシュバックキャンペーンなども行われているので、ぜひこの機会にご利用ください。
というわけで、今回は以上!「外貨預金をおすすめできない3つの理由を図解してみた」でした!
それではまた!
Can You Survive?
ってやまちゃん言ってたよ。