株の初心者は、雑誌やネットのおすすめ銘柄を買うべきではありません。
また、株を買う人と売る人の利益は一致しないので、証券マンに資産運用の相談をするのもおすすめしません。
知識も経験もいらない、株の初心者がやるべき3つのことを説明します。
※この記事はアフィリエイト広告を含みます
ちなみにどこ行くの?
ってことで、池袋の証券会社までひとっ走りしてくら!
あんた何にもわかっちゃいねえみたいだから、株を買うための証券会社の選び方から最低限必要な知識まで、この際まるっとご案内してやらぁ!!
漫画やドラマには「株で借金を負ったキャラクター」がよく出てきますが、株取引で借金を負うことは通常あり得ません。
それどころか、数分で学べるような最低限の知識さえあれば、大損することも無いはずです。
また、株は他の投資と比べて自由度が高いため上級者向けのような気がしますが、いわゆる「初心者向け」とうたわれている投資信託やロボアドなんかよりもシンプルな、超基本的な金融商品です。
当記事では、チャートの見方や分析の仕方ではなく、損しないための基礎知識と、取引のコツという2つのポイントについて重点的に解説します。
多くの金融商品の基礎となる株式投資。
ご紹介する内容はどれも資産運用全般に転用できるものなので、初めて投資をしようとお考えの方も、すでに投資信託などをお持ちの方にも役に立つはず!
目次
株の初心者は証券会社に行っちゃダメ
証券会社は国内だけでも1000社以上あり、ターミナル駅には必ず大手証券会社の支店がドカンと構えています。
もちろん、このような証券会社の支店窓口で取引することもできますが、窓口での売り買いは取引手数料が高くついてしまいます。
5大証券会社の取引手数料
証券会社 | 10万円 | 30万円 | 50万円 |
---|---|---|---|
野村證券 | 2860円 | 1.4300% | |
大和証券 | 2750円 | 6325円 | |
SMBC日興証券 | 1.265% (最低5500円) |
||
みずほ証券 | 1.155% (最低2750円) |
||
三菱UFJモルガン スタンレー証券 | 2750円 | 1.430% | |
※ 本支店窓口で取引した場合の税込手数料(2019年10月時点) |
大手証券会社の窓口で株を買う場合、最低でも2750円ほどの手数料がかかるでしょう。
5大ネット証券の取引手数料
証券会社 | 10万円 | 30万円 | 50万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 スタンダードプラン | 99円 | 275円 | 275円 |
カブドットコム証券 | 99円 | 275円 | 275円 |
楽天証券 | 99円 | 275円 | 275円 |
マネックス証券 取引毎手数料コース | 99円 | 275円 | 275円 |
松井証券 (一日の取引合計額で計算) | 0円 | 330円 | 550円 |
※ インターネットで取引した場合の税込手数料 |
上の大手証券会社窓口での取引と比べると、圧倒的に安いことがわかります。
手数料が高ければ高いほど、利益は小さく損失は大きくなります。
買った株で利益が出るか損失が出るかは不確定ですが、手数料は確実に発生します。買う時点で決まる、確実な損失だと言えます。
ということで、一番最初に解説します!
販売者と投資家の利益は逆
初心者がそんなことして大丈夫?難しいんじゃない?
アドバイスを求めるなら別の人のほうが良い。
株式投資の場合、私たち投資家の利益は、株の値上がり益と配当金の2種類です。
(株主優待も入れれば3種類)
対して、証券会社の利益は私たちから得る取引手数料のみ。
私たちが儲かっても損しても関係ありません。
しかし、投資家にとって取引手数料は確実な損失。なるべくなら払いたくありません。
つまり、株式取引においては販売者と購入者の利益は真逆だと言えます。
素直に言うこと聞いてたら、合理的な取引はできないってわけか。
何年か前に証券会社行ったときは「なんの用ですか?」って感じで冷たくされちった。
まあ、君は下半身裸で顔まで緑色だけどね。今まさに。
株式投資の取引コストは2種類
株式投資をする際に、我々個人投資家が負担するコストは主に2種類。
1.取引手数料
個別株でかかる手数料は、取引手数料のみ。
取引手数料は、買う際と売る際の合計2回発生します。
証券会社ごとに価格設定が違うので、メインで使う口座は手数料の安いネット証券を選びましょう。
証券会社 | 10万円 | 30万円 | 50万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 スタンダードプラン | 99円 | 275円 | 275円 |
カブドットコム証券 | 99円 | 275円 | 275円 |
楽天証券 | 99円 | 275円 | 275円 |
マネックス証券 取引毎手数料コース | 99円 | 275円 | 275円 |
松井証券 (一日の取引合計額で計算) | 0円 | 330円 | 550円 |
※ インターネットで取引した場合の税込手数料 |
2.税金
株の利益には税金がかかります。
税率は、利益の20.315%。
配当金にも(大口株主を除く)、売買益にも、等しく発生します。
もし100万円の利益が出たなら、20万3150円の税金を支払わなくてはなりません。
みんなこんな高いもん払ってんのか!
税金は無視できない、第2のコストだね!
NISAで税金はタダになる
おいらワクワクする……
日本の非課税制度、NISAを活用すれば、税金をかけずに株取引を行うことが可能です。
比較項目 | NISA | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|---|
お得さ | ★★★☆☆ 運用益非課税 | ★★★☆☆ 運用益非課税 | ★★★★★ 普段払う税金まで安く |
気軽さ | ★★★★★ いつでも売却可 | ★★★★★ いつでも売却可 | ★★☆☆☆ 60歳まで払い戻せない |
手軽さ | ★★★☆☆ 原則、自分で購入/売却 | ★★★★★ 自動積立 | ★★★★★ 自動積立 |
年間投資限度額 | 120万円 | 40万円 | 14万4000円~81万6000円 |
運用可能期間 | 5年間 ロールオーバーで10年間 | 20年間 | 原則60歳まで |
投資できる商品 | 株・投資信託 | 一部の投資信託 | 一部の投資信託・預金・保険 |
非課税対象 | 運用益 | 運用益 | 運用益・所得税・住民税 |
いつでも引き出し | できる | できる | できない |
特記事項 | 2023年分で終了予定 つみたてNISAと併用不可 | NISAと併用不可 | 途中解約不可 (積立の中止は可能) |
現在、NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA・iDeCoという4種類の非課税投資制度があります。
それぞれ運用可能な商品や期間などに違いがあります。
お子さんがいない場合、個別株を売買できるのはNISAだけ。
NISAは、株や投資信託など、好きな金融商品を自由なタイミングで購入できます。
金額は年間120万円まで。この枠内で購入した金融商品が利益を出しても、5年間は税金がかかりません。
NISA口座はひとり1つ。
好きな証券会社を1社だけ選んでNISA口座を開設できます。
ひとり1社しか選べないので、取引手数料が安く、取扱商品の多い証券会社を選んでNISA口座を作りましょう。
証券会社によってはNISA口座内の取引手数料無料の場合もあります。
ネット証券NISA口座の比較
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | 松井証券 | カブドットコム証券 |
---|---|---|---|---|---|
NISA口座内の国内株 買付手数料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
IPO取扱銘柄数 (2016年) | 76社 | 8社 | 47社 | 11社 | 20社 |
投資信託 取扱本数 | 2540本以上 | 2545本 | 1275本 | 499本 | 1045本 |
投資信託 ノーロード本数 | 1240本以上 | 1224本 | 1275本 | 493本 | 631本 |
外国株式 取扱本数 | 9か国 | 6か国 | 2か国 | なし | なし |
NISA口座内の国内株取引手数料無料、IPO取扱数がネット証券で最多、外国株が充実って欲しいの全部揃ってるからね。
い、いぽ?
詳しくは過去の記事を読んでくれい!
株式投資のリスクと対策
株式投資には元本の保証がありません。
投資したお金が減ってしまうこともあります。
無茶な取引を繰り返せば、大幅に減ってしまうこともあるでしょう。
1.分散投資
1つの金融資産に集中投資すると、その商品の損益によって自分の資産が大きく左右されてしまいます。
これを防ぐのが分散投資。
企業の株価は様々な原因によってアップダウンします。
不祥事・異常気象・外交問題・法律が変わった場合など、企業ががんばっても防げないような予期せぬ事態によって大きく揺さぶられ、ときには倒産してしまうことも。
そんなときも複数の銘柄に分散していれば、そのうち1社や2社倒産したとしても影響は限定的。
少なくとも、資産が根こそぎなくなるようなことは防げるでしょう。
こうして複数の金融商品に資産を分散することを、分散投資と言います。
業種や国も分散する
分散投資をするときは業種や国も分散させるのが基本です。
例えばTOYOTAとベンツ(独ダイムラー社)に分散した場合。
国産車が不人気になっても外車が盛り上がる可能性が高く、この面ではリスクバランスが取れています。
しかし、新技術やその他の原因によって世界の自動車産業自体が落ち込んだ場合は、両方とも落ち込むことが予想されます。
このように、近い業種内で分散しても業界全体が落ち込むリスクがあるため、業種も国も分散させて、一部のリスクに偏りすぎない資産運用が理想的です。
株を買うときも「輸出系を買ったら、次は輸入系」といった具合に、バランスを考えながら投資しましょう。
最低でも3銘柄以上に分散してスタートしよう!
ETFで分散投資
一気に分散するには、ETFが有効です。
ETFは、上場投資信託の略称。
簡単に言うと、好きな国やジャンルの株をまとめて買うことができる、ちょっと特殊な株式です。
例えば日経225に連動するETFを買うと、日本を代表する225社の株をちょっとずつ全種類買ったのと同じようなことになります。
同様に、海外株を組み入れた銘柄も選べます。
S&P500ならばアメリカ市場の代表的な500銘柄
DAX30ならばドイツ市場の代表的な30銘柄の平均株価と連動します。
新興国株(インド、中国、ロシアなど20ヵ国以上をまとめたもの)
世界株(47ヵ国の経済状況と連動)のような、さらに規模の大きい物もあります。
リターンをキープしつつリスクを抑えた、合理的な分散投資が狙えます。
信託報酬は、ETFを持っている間かかり続ける手数料。
銘柄ごとに料率が定められており、投資額に対して年間0.05〜1.00%ほど。
毎日、購入したETFから自動的に差し引かれます。
※ eMAXIS Slim米国株式(信託報酬 年0.1728%以内)に120万円投資した場合、毎日5.68円ほど(年間2073円以内)の信託報酬が引かれる。
お金増えなそうな気がするなあ。
アクティブファンド(プロが株や債権を組み合わせて作った投資信託)よりもインデックスファンド(市場平均に沿うだけの自動的な投資信託)のほうが平均的に高い成績をあげています。
2011〜2016年の運用成績において、「S&P/TOPIX 150」に負けた大型株アクティブファンドの割合は73.72%でした。
(出典:「SPIVA®Japan Scorecard」2016)
金融機関などに所属するプロの、実に半分以上がインデックス投資に負けている状態。
逆に言えば、私たちはインデックス型のETFを買うだけで多くのプロを上回る成果が期待できます。
ETFはNISA口座内で買うこともできます。
コストも少なく、かなり合理的な投資だと言えるでしょう。
ETFについて詳しくは過去の記事で紹介しています。
2.長期投資
俺の場合は1日2回、それぞれ5分くらいしか見ない。
「どの銘柄が上がるかを正確に把握」して「常に一番上がる銘柄に乗り換え続ける」ことができたら理想的だよね。
精神的にもすり減るだろうから、あんまりおすすめしない。
株取引のスタイルは、大きく分けると3種類。
チャートの動きを先読みして、1日に何度も取引を繰り返して利益をねらう。
日中に時間の作れる主婦や、専業のトレーダーが多い
ニュースやチャートの動きを元に、1日〜数週間程度の取引で利益をねらう。
経済好きの会社員などが多い
成長が期待できる企業やETFなどに、数か月〜年単位で投資する。
誰でもできるので、層が幅広い
細かく分けたり、特殊なスタイルを含めれば数えきれないほどのスタイルがありますが、私はオーソドックスな長期投資が最も合理的だと考えています。
長期投資は低コストで合理的
長期投資は売買する回数が少ない分、取引手数料が少なくて済みます。
また、NISAをフル活用できるのも長期投資。
NISA口座では年間120万円しか投資できないので、大きな金額で売買を繰り返すデイトレードやスイングトレードには不向きです。
20万円の株を6往復したら1日で枠を使い切ってしまう。以降の取引は税金がかかる。
長期投資の場合
20万円の株を6種類買って、5年間非課税で運用できる。
※ ロールオーバーという、10年間運用する方法もある
長期投資は、手数料と税金、両方のコストに優れています。
また、デイトレードをするには株式取引が可能な9時〜15時の間に時間を作る必要があり、一般的な会社員には難しいでしょう。
スイングトレードも、アップダウンが激しくて仕事中も気になってしまうので、本業のある人や心の弱い人にはおすすめできません。
長期投資は比較的手間がかからないので、本業に集中しやすいというのも大きなメリットです。
長期投資のリバランス
たとえば「国内株と海外株を半々にしよう」と決めて資産を配分したとしても、株価はアップダウンするものなので時間が経てばバランスは崩れてしまいます。
そこで、偏ったバランスをもう一度取り直すことをリバランスと言います。
国内株50万円分/海外株50万円分購入
1年後、国内株50万円のまま/海外株60万円に成長
国内株を10万円買い増す=リバランス
長期投資の場合、特別大きな事件でも起きない限りは年に1回程度、NISA枠が増えたときにでも、足りない箇所を買い増すと良いでしょう。
あるいは、お金が必要になったタイミングで、膨らんでいる箇所から切り崩すことでもバランスが取れます。
株の初心者がやるべきこと3つ
もう一回整理してくんないかな。
簡単にまとめると、株の初心者がやるべきことは3つだけ!
1.手数料の安いネット証券にNISA口座を開設
まずは、手数料が安いネット証券に口座を開設!
余計な税金がかからないように、必ずNISA口座を作ること。
すでに銀行などでNISA口座を作っている場合は、ネット証券に移動しよう。
特に理由がなければ、SBI証券がおすすめ。手数料最安級で、取り扱い商品も充実。
>> SBI証券の公式サイト
2.NISA口座で株を買う
NISA口座が開設できたら、早速株を買う。
基本的には海外ETFがおすすめだが、もし買いたい株があるならそれでも良い。
ただし、個別株の場合はひとつの株に全力投球せず、必ず違う業種の株を混ぜて3種類以上買うこと。
3.たまにリバランスする
現金が貯まってきたら、バランスが悪くなっているところを改修するような気持ちで株を買い増す。
自分の口座を毎日見る必要はないけど、少なくとも半年〜1年に1回くらいはチェックして、バランスを取り直すと良い。
筆者の資産状況とおすすめ運用配分
・現金=IPO用に複数の証券口座で管理
・海外株=海外ETFのバンガード・S&P500(VOO)のみ
・国内株=好きな会社の個別株を業種バラバラで10銘柄前後
大体いつも資産全体が現金20%、海外株40%、国内株40%、くらいになるようにしていますが、非常にざっくりした管理で、細かい手入れは特にしていません。
あくまでメインはバンガード・S&P500(VOO)での運用。
国内株はほとんど趣味で、バランスが偏りすぎない程度に、好きな会社へ投資しています。
現金が貯まったら国内株かVOOのどちらか小さいほうを買い足すイメージです。
S&P500は、アメリカを代表する500社の株価に連動する指標。
このETFを買うだけで、500社に分散投資するのと似た効果があります。
NISA口座での取引も可能で、ローコストで簡単に分散投資できます。
お手軽に強い資産を作るのに最適な商品。
一般的には、国内株ETF(TOPIXなど)と海外株系のETF(VOOなど)を半々で持っておけば、そこそこ丈夫でバランスのいい資産が作れるはず。
もし家やマンションなどの不動産をお持ちの場合は、資産が日本国内のリスクに偏りがち。
この場合は海外ETFの割合を増やすなど、自分に合った資産配分を作ってみましょう。
雑誌やネットのおすすめ銘柄は買わない
雑誌に書いてあるような「今年上がるおすすめ銘柄100」みたいなやつ買った方が良くない?
そんなのジャンプの巻末の通販ページで物買うようなもんだよ!
雑誌によく載っているような「個別株のおすすめ銘柄」は一見 魅力的に見えますが、これを買うのは衝動買いと同じ。
よく知らない人の予想したおすすめ株なんて買う根拠としては非常に弱く、長期保有には向きません。
「自分は株の初心者だ」と思っている間は、特に不安にかられやすい状態です。
株価が少しでも上がったり下がったりしようものなら、すぐに手放したくなってしまいます。
このような取引を繰り返していたら、せっかくのNISA枠もなくなってしまう上、手数料と損失がかさむばかり。とても合理的とは思えません。
それに比べて長期の分散投資はコストとリスクに対して期待リターンが高く、非常に合理的。
合理性は半永久的に心の支えとなるので、衝動買いした株と違って、精神的な弱さで株を手放してしまうリスクを抑えられます。
また、自分が心から応援したいと思える企業に投資するのもおすすめです。
株価の売買益や配当金以外に、精神の充実など様々なリターンが期待できます。
このような理由で買った株は株価のアップダウンに依存しないため長期保有しやすく、結果として合理的な運用が可能となるでしょう。
そう言われてみれば、大して知らない会社の株なんか持つだけでストレスかも。
まとめ
「株は危ない」というイメージがありますが、銀行預金や不動産だって、日本経済に依存した非常に脆い資産です。
株式投資は分散とリバランスさえきちんと行えば、銀行預金よりもずっと強くて丈夫な資産が作れます。
あとはネット証券とNISAを活用してコストも抑えれば、投資の効率もグッと上がります。
ただし、投資は手間をかけたら利益が出るというわけでもありません。
同じ量の手間をかけるなら、本業や副業のほうが大きな見返りが期待できます。
基本的には、株取引はETFや国内銘柄の長期投資くらいにしておいて、普段はそれぞれのお仕事に集中するのがおすすめです。
株の初心者は証券会社に行くな!投資家ヤマコンの図解 でした。
それではまた!Can You Survive?
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この記事とか、めちゃくちゃひどかったもんな。
言ってることはまともっぽいんだけど、やることが過激だよな〜!
※記事で紹介したサービスや商品を購入すると、売上の一部がサバイブに還元されることがあります。
今回も投資について、なるべくわかりやすく解説します!