企業型の確定拠出年金を積み立ててきたは良いものの、受け取る前に転職や退職をしてしまった場合、6か月以上放っておくと積み立てたお金がどんどん減ってしまうかも。しかもいざというときに下ろせない可能性も!
急いで対策を取りましょう。
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前回の記事、
iDeCoとは|いま最強の節税術、確定拠出年金を図解する
では個人型の確定拠出年金=通称iDeCoについて詳しくご紹介しました。
iDeCoは、私の知る中で最も効率的にお金を増やせる方法です。
投資好きの私からしてみれば、まさに宝の山。
個人的には「月2万3000円まで」という制限さえなければもう少し積み立てたいところ。
やってない人の枠まで使っちゃいたいくらいです。
また、企業型の確定拠出年金なら、地味にきつい「運営手数料」まで会社が負担してくれます。
これに入るためには企業型の確定拠出年金を導入している会社の社員じゃなきゃいけません。これを導入しているのは基本的にかなりの大企業。
残念ながら私はできません。
これは選ばれた人だけが使えるめちゃくちゃお得な投資と言っても過言ではありません。
我々のような中小企業で働く個人投資家からすれば垂涎もの。
そんな企業型確定拠出年金のうち2000億円もの大金が運用もされず、ほったらかしになっているというニュースを発見しました。
73万人が転職時に年金放置!総額2000億円に:朝日新聞デジタル
この記事には事態の原因について「転職時に必要な手続きを怠ったため」とありますが、私は制度上の欠陥によるところが大きいと考えています。
今の制度に合わせて、転職者・退職者が仕事をやめたあとにとるべき対策を解説します!!
目次
転職・退職後に放置された確定拠出年金はどうなる?
確定拠出年金法では、企業型の確定拠出年金加入者が未導入の会社や自営業に転職したり、その他の理由で退職した場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)への切り替え手続きをする必要があるとされています。
この移換手続きが6か月以内に行われなかった場合、今まで積み立てたお金は運用がストップされます。
退職・転職後6ヶ月間以内に移管手続きをしなかった場合、今まで積み立てたお金は国民年金基金連合会というところに移動されてしまいます。
このとき移動に伴う手数料が発生し、まずは積み立てたお金から4269円が天引きされます。
次に、自動移換4か月目以降から毎月51円の管理手数料が差し引かれていきます。
この間も手数料や管理手数料は引き続き発生します。
こちらは企業型のときと違って全額自己負担なので、ざっくり言えば今まで積み立ててきたお金が年間5000円程度減少していくことになります。
また、国民年金基金連合会にお金が保管されている間は運用ができなくなるので利息・信託報酬が付かないのはもちろんですが、確定拠出年金の加入者期間としてカウントされないというデメリットもあります。
確定拠出年金を受け取るには、10年以上の加入期間が必要なので、手続きが遅れると受け取りが60歳以降になってしまう可能性があります。
そして万が一、手続きをしないまま60歳を迎えてしまった場合、このままではお金を引き落とすこともできません。
また、「退職を期に脱退したい」という方もいるかもしれませんが、現在の法律ではほぼ不可能です。
つまり、1度でも企業型確定拠出年金に加入した方は、必ず移換手続きをしなければいけません。
転職・退職後はどうしたらいい?
では、具体的にどうしたらいいか考えていきましょう。
企業型確定拠出年金の加入者が会社を辞めた場合、その後どのような会社に勤めるのかによって大きく2つの進路に分かれます。
企業型確定拠出年金を導入している企業に転職した場合
ひとつは、転職先の会社が企業型確定拠出年金を導入している場合です。
このパターンでは、前の職場と新しい職場の証券会社がそれぞれ違ったとしても、これまで積み立ててきたお金をそのまま移動することができます。
新しい職場の担当者に「前職で企業型確定拠出年金に加入していたので移換の手続きがしたい」という旨を伝えれば、あとのことは全てそちらの案内に従うだけ。
何も言わなくても自動で移換手続きしてくれる可能性もありますが、一応自分から確認しておくと良いでしょう。
未導入の企業または自営業などに転職した場合
もうひとつは、転職先の企業に確定拠出年金が導入されていない場合や、自分で起業した場合、自営業・フリーランス・フリーターなどに転職した場合。
このパターンでは、2つの選択肢があります。
・個人型の確定拠出年金=iDeCoに切り替えて積み立てを続ける。
・積み立てをやめて運用だけを続ける。
どちらの選択肢を選んでも、6か月以内にiDeCoの口座を開設し、移換手続きをしなければなりません。
移換時は手数料が発生しますが、放置しておいた場合、さらに多額の手数料が発生してしまうので、忘れずに手続きしましょう。
iDeCo移換手数料の比較
企業型の確定拠出年金からiDeCo(個人型確定拠出年金)へと移管する際、「国民年金基金連合会への手数料」と「移換先の金融機関への手数料」という2種類の手数料が発生します。
「国民年金基金連合会」への手数料は固定で2829円(税込)。
それとは別に、毎月171円(税込)の手数料がかかります。
これはどこの金融機関を選んでも同じ金額。
次に「移管先の金融機関」への手数料ですが、こちらは各社が定めた手数料なので、金融機関ごとに異なります。
一覧で比較してみましょう。
主要な金融機関を比べると、以上のようになりました。
制度開始当初は移管手数料が1000円前後かかる金融機関がほとんどでしたが、現在は主要な金融機関はほぼ0円になりました。
マネックス証券やSBI証券は、口座管理費も移管手数料も無条件で0円です。
iDeCoは長期運用が前提なので、毎月たった数百円の手数料でも、10年20年と経てば数万円~十数万円まで膨らむおそれがあります。
(毎月260円+171円)×360か月=通算手数料15万5160円
例:30歳~60歳まで「マネックス証券」のiDeCoに加入した場合
毎月171円×360か月=通算手数料6万1560円
=マネックス証券の方が9万3600円お得
つまりコスト管理を徹底することです。
投資信託や株式など、購入する金融商品の価格が今後上昇するかどうかは不確定です。
しかし、手数料と税金(=コスト)は確実に発生するマイナスだと考えられます。
余分な手数料は、確実に損です。
iDeCoには手数料無料の金融機関があるので、そちらを利用するべきでしょう。
ヤマコンが使ってるのはSBI証券!
SBI証券「セレクトプラン」 | |||
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公式サイト | 【SBI証券】口座開設|SBI証券のiDeCo(イデコ) | ||
口座管理手数料 (月額) | 無料 | サポート | ・電話 ・メール |
商品数 | 37種類 |
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元本確保型 商品 | 1種類 | 価格変動型 商品 | 36種類 |
おすすめインデックス投信 | ・eMAXIS Slimシリーズ ・雪だるま | 特筆すべきアクティブ投信 | ・ひふみ年金 ・セゾン資産形成の達人ファンド ・ジェイリバイブ |
ポイント | ・信託報酬最安のインデックス投信 ・大人気かつ好成績のアクティブ投信 ・口座開設/移管/口座管理手数料無料 |
SBI証券のiDeCoには、従来のオリジナルプランと、新設されたセレクトプランという2種類のプランがあります。
おすすめは断然、セレクトプランです。
iDeCoの金融機関を選ぶ際に重要なのは、手数料と取り扱い商品。
SBI証券のセレクトプランは口座管理手数料と加入時・移管時の手数料が無料。
取り扱い商品には信託報酬(実質的な手数料)が国内最安のインデックス投信と、大人気のアクティブ投信が揃っており、文句なしの完璧なラインナップです。
中立的な第三者としての立場から各種金融商品やウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社が発表した「iDeCo(個人型確定拠出年金)サイトランキング」でもSBI証券が1位でした。
・ウェブサイトの使いやすさやサービス情報の充実度
・取り扱っている運用商品の豊富さ
・口座管理手数料や投資信託にかかる費用などのお得さ
などの観点から総合的に評価されています。
口座開設はこちらから
>> SBI証券の公式サイトへ
マネックス証券もおすすめ
マネックス証券も移換手数料と口座管理手数料が無料。
インデックス投信の信託報酬も業界最安クラスです。
金融機関 | 口座管理手数料 | 加入時・移換時の手数料 | 国内株式系投信の最低信託報酬 (税込) | 外国株式系投信の最低信託報酬 (税込) |
---|---|---|---|---|
SBI証券 (セレクトプラン) おすすめ! | 0円 | 0円 | 0.154% 以内 (eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)) | 0.1023% 以内 (eMAXIS Slim 先進国株式インデックス) |
マネックス証券 おすすめ! | 0円 | 0円 | 0.154% (One DC 国内株式インデックスファンド) | 0.1023% 以内 (eMAXIS Slim 先進国株式インデックス) |
SBI証券 (オリジナルプラン) | 0円 | 0円 | 0.176% (三井住友-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド) | 0.154% (DCニッセイ外国株式インデックス) |
楽天証券 | 0円 | 0円 | 0.176% (三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド) | 年0.10989% (たわらノーロード・先進国株式) |
スルガ銀行 | 270円 | 0円 | 0.572% (DC・ダイワ・ストックインデックス225) | 0.77% (インベスコMSCIコクサイ・インデックス・ファンド) |
大和証券 | 0円 | 0円 | 0.2750% (DCダイワ日本株式インデックス) | 0.275% (DCダイワ外国株式インデックス) |
口座管理手数料と同様、信託報酬も投資における確実なマイナスリターンです。
理論上、インデックス投信は信託報酬が高くても安くても同じ値動きをするはずなので、同タイプのインデックス投信を買うならば、最も信託報酬の安い商品を選ぶのが合理的。
国内株式系・外国株式系ともに、信託報酬が最も安い商品を揃えてきたマネックス証券は今のiDeCo業界の中で最も低コストな金融機関と言えます。
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iDeCo移換手続きのやり方
もし、今まで企業で加入していた金融機関内の個人型で良いのなら、退職の際に移換に必要な書類やガイドブックを渡されるはずなので、その中に入っている個人別管理資産移換依頼書を自分で記入してポストに投函して終了です。
しかし、これからは自分で手数料を払っていくことになります。
前項で解説したとおり、金融機関によって手数料が大幅に違い、長い目で見れば10万以上変わってくるので、圧倒的に手数料の安いSBI証券やマネックス証券に乗り換えるのが良いでしょう。
今は無料なので、これから個人型に乗り換える方はかなりラッキー!
(1)必要書類を取り寄せる
iDeCoはネット上で全ての取引を完了することができません。
まず証券会社から、必要書類が入った資料を請求します。
(2)書類に記入してポストへ
数日後に書類が届くので、中に封入されている「個人型年金(個人型確定拠出年金)ケース別ご提出書類一覧」を見ながら必要書類を作成し、ポストに投函しましょう。
(3)通知書を待つ!
その後、国民年金基金連合会で移換が可能かどうかの確認が行われ、確認手続きが終わると各種通知書が郵送されてきます。
企業型確定拠出年金からSBI証券の個人型年金に個人別管理資産が移換されるまでの期間は通常1~2か月かかります。
ここまでの作業を退職6か月後までに完了しなければならないので、転職や退職をした場合は、なるべく急いで移換手続きに取り掛かりましょう。
(4)投資の割合を決める
↑SBI証券で取り扱っている運用先の一部
届いた通知書に記載してあるIDとパスワードを使うと、確定拠出年金の運用指図画面にログインできます。
これからは、この画面を使って資産の運用配分を自分で決めていくことになります。
iDeCo運用のコツとおすすめ投資先
iDeCo最大のメリットはとにかく税金がかからないこと。
拠出額に対して所得税・住民税がかからないほか、運用利益にも税金がかかりません。
この節税メリットを最大限利用するならば、定期預金などの元本保証型商品ではなく、投資信託などのリスク投資を利用し、ある程度金利の見込める運用スタイルがよいでしょう。
私は他の資産(普通預金・不動産・株式など)とのバランスさえ取れていれば、iDeCoの投資先は1つに絞って運用しても問題ないと考えていて、現にiDeCoに関してはSBI証券セレクトプランの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」というインデックス投信に100%投資しています。
「海外投資に100%賭けるなんてリスキーだ」と思うかもしれませんが、私はむしろ全財産を日本円で持つことの方がリスキーだと考えています。
私は現在の経済の動向や少子化の影響を考えると、日本円や国内株式系の投信に長期投資する気にはなれません。
資産全体の50%ほどは、外貨あるいは外貨建て資産にしておいたほうが、むしろ無難だと思っています。
そこで外国株式を購入するのですが、それなりに大きな値動きがあるのでiDeCoやNISAを利用し、利益にかかる税金を支払わなくても良いような形で運用しています。
具体的には「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」というインデックス投信がおすすめ。
インデックス投信というのは、日経225やTOPIXといった経済指標に連動して価値がアップダウンする投資信託のことです。
日経225は日本を代表する225社の株価の平均値を取った指標で
TOPIXは東証1部に上場している全銘柄(1900以上)の時価総額を全銘柄数で割った数字です。
個別株(TOYOTA・みずほ銀行など)を購入した場合、万が一その企業が不祥事を起こしたり、倒産した場合のダメージが致命的になってしまいますが、インデックス投信の場合は例え1、2社倒産してもダメージは比較的軽微に抑えることができます。
インデックス投信の種類によっては、会社や業種だけでなく海外にも資産分散できるので、非常に効率よくリスクに強い資産を作ることができます。
例えば「MSCIコクサイ・インデックス」に連動する投資信託ならば、日本を除いた24の先進国に資産を分散できるので、万が一TOYOTAやみずほ銀行が倒産してもほとんど影響はありません。
たとえ日本経済が破綻しようと、絶望的な値下がりはないものと考えられます。
また、インデックス投信はアクティブ投信(ひふみ投信など)と違い、指標に沿うよう機械的にトレードするだけなのでプロのトレーダーの手を介す必要がなく、信託報酬(=実質的な手数料)が安いというメリットがあります。
中でも「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」はコストに優れています。
海外に分散投資できる銘柄は他にも数多くありますが、iDeCoで買える中ではこちらが手数料最安。
この銘柄を取り扱っているのは、SBI証券(セレクトプラン)、マネックス証券、松井証券の3社のみ。
iDeCoで運用する「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は
・最強の節税効果
・最安級の信託報酬
・十分な分散力
という、3点の強力なメリットを揃えています。
外国への分散投資が目的ならば最適解となる可能性が高いです。
私はNISAよりも外貨預金よりも、まずはiDeCoで海外へ分散投資するのが最優先だと考えています。
リスク管理の面から見ても、運用益の面から見ても、これが最も合理的な資産運用ではないでしょうか。
まとめ
iDeCoは私の資産運用の中でもかなり重要な役割を果たしています。
60歳まで下ろせないところにお金を入れるのは最初は不安かもしれませんが、2万3000円を30年間積み立てれば828万円。
これだけあれば老後資金の大きな助けになります。
私のように年金に頼りきれないような働き方の人たちにとっては、下手な保険よりも強い安心感があります。
また、とにかく節税効果が絶大なので、投資する上でのメンタル面への影響も大きいです。
リスク投資に投じたのちマイナスの値動きが生じたとしても、節税額を意識することで比較的安定した気持ちで運用することができます。
そんな確定拠出年金を放っておくのは勿体ないので、もし転職や退職で企業型確定拠出年金の扱いに困っている方は、急いでiDeCoに乗り換えましょう!
ということで今回は以上「転職や退職で積み立てた確定拠出年金は急いでiDeCoに切替えよう!」でした!
それではまた!
Can You Survive?
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